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格格の北京日記


人は脳で食べている

北京大の湖にスケートに行く。

今年に入って3回目だ。
第1回目はやたらと転びまくったが、もう慣れたので、結構スピードを出してスイスイ滑れるようになった。
また、今年になってから練習を始めた後滑りも、コツをつかんでちゃんと後ろ向きに滑れるようになった。
確実に上達できて楽しい。
それにスケートはいい運動になる。
滑り続けていると着込んでいるのが暑くなる。止まると寒いが、動けば暑いのでずっと滑り続けていた。2時間滑り続けると、全身の筋肉を使ったなあという充実感が得られた。
スケートは日頃の運動不足解消に一役買っている。


スケート後、北京大南門付近の雲南料理屋で夕食。
雲南料理としてはオーソドックスな米線(米の麺)やパイナップルライス、鳥鍋などもおいしかった。筒肉やジャガイモボール、ジャガイモのすりつぶしはあっさりしていて口に合う。

ところで、ここのレストランの売りはタイ族風味だというので、何か面白そうなのを頼んでみようとした時に、私の目に留まったのが、「タイ族風味地参」という文字だった。

「地参」ってなだろう?
「地三鮮」(ジャガイモ、ピーマン、ナスなどの炒め物)かなんかかな?
タイ族風味って書いてあるから頼んでみようか。
というわけで、適当に頼んでしまったのだが…


出てきたのは
人は脳で食べている_f0152904_1855338.jpg

こんなものだった。


なにやら不思議な茶色い物体を揚げている。
これは一体???

1人が、これは蚕の幼虫を揚げたものではないかと推測した。
なるほど、地参と地蚕は発音も似ていそうだ。
虫のように節くれだっているし、端の部分も虫の頭みたいに見えなくはない。
私はなんてものを頼んでしまったんだ!という激しい後悔の念に襲われた。

みんな、ごめんなさい。こんなグロいものを頼んでしまって。
私が食べます。

一緒についてきたスパイス入りの塩をつけて、あまり見ないようにして食べてみると、カリっと揚がっていて、少し苦味があるが、ビールによくあいそうな味だった。
きっと虫だと思わなければおいしく食べられるものなんだろうな、などと思った。

みんなも食べてくれたが、味は悪くないという評判だった。
ただ、グロテスクな外見はあまり見たくないという意見が大勢だった。
虫も揚げてしまえばこんな味なんだね、面白い経験をした、ということになったのだった。





さて、翌日

辞書を引いたついでに、昨日の「地参」を引いてみた。

地参(di4shen1)→知母 
ハナスゲ(チモ):ユリ科の多年草草木、その根茎は薬用(滋養、解熱、鎮静)される。
(中日大事典)


私達はすっかり虫を食べた気になって戦々恐々としていたのに、なんのことはない、ただの植物の根っこにすぎなかったのだ。
まったく滑稽な話だ。


そういえば、以前旅行中に入ったレストランでのこと。
そこは水槽に蛙だとか蛇だとかがいるようなところだった。
そして適当に注文して出てきた料理には、なにやらぶつ切りの細長い肉が入っている。

まさか、蛇?

そう思いだすと食べた気がしなかったが、あとで聞くとただの鰻だった。
蛇だと疑ってビクビクしながら食べた時と、後から鰻だとわかって安心して食べたのでは、同じ料理なのに味が全然違った。

同じ料理でも意識の持ちようで味は全く違って感じるのだ。
人間は舌ではなく、脳で味わっているのだなとつくづく思ったのでありました。
by dagege | 2008-02-03 18:44

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北京に留学している格格の日記です。中国のおもしろ体験を紹介できたらと思います。格格はゲゲと読みます。満洲語の女性の敬称で、お姉さん、娘、お嬢さん、お姫様など場合に応じて使い分けられます。
by dagege
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